top of page
T-4ニードルとは

今回はGGB社製のT-4ニードル(別名キャットウィスカーニードル)を取上げてみました。

T-4ニードルは超LSIや液晶等の微細回路解析を行う技師から”使い勝手が良い”と とても高評価のプローブニードルです。

もともと低入力容量プローブであるピコプローブの専用ニードルとして開発されたものを一般プロービング用としても使えないかということで考案された製品です。そのため、ピコプローブを使用するフィールドでは多く併用されています。


それでは”T-4ニードル”どんな点が良いのかを探ってみました。

サブミクロン級電子回路の研究開発・検査解析等における電源供給、電圧、電流測定を目的とした電気特性検査では、人間が直接微細回路へアプローチするための針当て(コンタクト)作業が必要となります。(一般的にこれらの作業を総称してプロービングと言う)

このプロービングの際に一般的なサイズのφ0.5mmのプローブニードルを用いた場合、その先端半径が小さいものでも0.5~1μR程あるため、コンタクトが可能となるエリアの制限と物理的な問題が生じてしまいます

この問題は、Φ0.5mm程の太い軸部が顕微鏡の視界を妨げることや、過大圧力による回路損傷、ニードル先端の曲がり、等が発生してプロービングの不具合原因ともなります。


T-4ニードルは変形自在のΦ0.5mmワイヤーに、コンタクト素材となる髪の毛より細い極小径(5μ、10μ、20μ、35μ、60μ)のタングステンワイヤー(キャットウィスカー部)を接続して製作しているため、タングステンワイヤー独自の柔軟性が適正なバネ圧力となり過剰な負荷が低減され、回路へのコンタクトを安定させることができます。

極小径のワイヤーに対し先端のテーパー部分はさらに細くなっているため、パシベーション剥離後のレーザースポットにも容易にコンタクトができます。


IC開発が盛んな1980年代、技師達は当時まだ1μmレベルの回路にコンタクトが可能なニードルが存在していなかったため、金のボンディングワイヤーを手で引延し切断してその伸びて尖った部分をニードルの変わりとして利用しICの解析を行っていました。

その技師達の苦労をヒントにT-4ニードルが誕生しました。プロービングは顕微鏡下で行いますが職人技の作業となります。

中村@NPS

T-4ニードル

写真右が一般プローブニードル
左がT-4ニードルのタングステンワイヤー部

bottom of page